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空木の影 小さな窓に

Mの館  河原の水に手を浸す この場所では絵は描けない なぜならあまりにも多くの人間が目的をもって歩んでいるから

「恐山の近所で生まれ育った」と、その作者は言った。恐山その山の名前は聞いたことがあった。青森にある観光地で、小さな石を積み上げた賽の河原やイタコと呼ばれる女性がいるという。彼女に、恐山に関する質問をいくつかしてみたが、彼女はあまり関心がないようだった。終始、要領の得ない返答であった。それにしても、寺山修司の「田園に死す」の中に出てくる恐山の風景はずいぶんと寂しい場所に思えたので、あまり軽々しく話題...

Mの館  赤いタートルネックの女が

目の前にいる作者は、私よりも一つ年下の女性だった。黒髪をお団子ヘアーにし、鮮やかな赤いタートルネックのニットに、細身のデニムを穿いていた。私は初対面にもかかわらず、絵画に描かれた13人の人物に関する持論を長々と伝えると、相手は意外なことを口にした。「この絵をわかってくれる人間は、多分・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」(都合により伏せます)本日は眠...

Mの館  居間の影

時計は17時を指していた。灰色のつめたい空が、庭の木々や、コンクリートの塀を、鈍い色彩に染めていく。リビングは暗くなっていた。母の消し忘れたテレビから漏れている赤や青の光が壁に映り、ゆらゆらと揺れている。私は食卓に置かれたトマトスープを頂こうと、スプーンを右手に持った。しかし、食器の縁がひどく汚れているような気がして、食べるのをやめた。テレビに映っているのは、おそらく1980年頃のテレビドラマだろ...

Mの館  序章

「だーれだ!!」「サトシでしょ?」バタン!!「え、あなた誰? いやっ助けてー」続く...