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空木の影 小さな窓に

15
2017  20:18:44

  白い壁に圧される 

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熱がコントロールできなくて、それをぶつけるように、私は突き刺すように、舌の先で伊吹の舌を引っ掻いた。
絡めるというより叩くように、何度も伊吹の柔らかい舌に舌をぶつける。
伊吹は逃げるように口を動かして、歯が私の舌を挟んだけど、噛むことはできないみたいだった。私の舌はお菓子を買ってくれなくて駄々をこねる子供の手足みたいに、めちゃくちゃに暴れていた。何度も何度も伊吹の舌を舌でたたきながら、涙が滲んだ。




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私が読んだ少女漫画では、男の子と女の子は愛し合っていて、トイレの中で温かいキスを交わしていた。なのに、私は伊吹を脅迫しないと、その唇を舐めることができない。



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伊吹から「付き合おう」と言われたとき、一瞬世界がぐにゃりと歪んで見えたのは、恐怖からか、嬉しさなのか、自分でもわからない。



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伊吹の正しさに強烈に憧れながら、それが憎かった。伊吹の健全な身体に宿った健全な言葉を引っ掻きまわすように、私は舌で伊吹の唇の内側を引っ掻き回した。伊吹の唾液はさらさらとしていて、冷たかった。小さい頃より少し硬くなったような気がする舌を、舌で叩いて、叩いて、伊吹に宿る言葉をめちゃくちゃにしようとしながら、涙が滲んだ。




村田沙耶香  「しろいろの街の、その骨の体温の」 

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