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空木の影 小さな窓に

12
2018  00:28:36

自分の命を

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「どんな人間でも、その真実の姿などというものは、不気味で、愛することの決してできないものだからです。

これにはおそらく、ほとんど一つの例外もありません。

どんな無邪気な美しい少女でも、その中にひそんでいる人間の真実の相を見たら、愛することなんかできなくなる。」

三島由紀夫 「不道徳教育講座 告白するなかれ」








中学2年生の時、隣の学級に転入生がやってきました。女生徒でしたが、中肉中背で、肌の色は浅黒く、目は大豆のように小さく、くせ毛の黒髪は湿度でベタっとしたようなシルエットを作っていました。
年頃の少女らしく、肌は荒れ、ニキビが頬を覆っていました。

私は彼女と直接的な関りがなかったため、性格はよくわかりませんでしたが、彼女は数か月ほどでまた転校をしてしまいました。
1学期の終わりに、私たち2年生は全員、体育館に呼ばれ、床に座りました。

年配の女性教師(英語科)は生徒たちの前に立ち、大声で言いました。

「昨日、A組のOOさんが・・・」

私の心の内で「まさか、彼女は死んでしまったのか?」と、一瞬の緊張が走りました。どうやら、周りにも同じようなことを考えている者がいるようでした。

「A組のOOさんは、~市に転校をしました。原因は、クラス内のいじめです。見ていた人間も、みんないじめていたことになるんだぞ!!わかっているのか!!」

私たちは、既にテレビや新聞などで「傍観者もいじめていることになる」という知識を持っていたため、教師の言葉に既視感のような、白々しさを感じながら、沈黙を保ちました。

今思うと、このいじめは、声を荒げて「台本」を読んでいる女性教師の学級内で起こった問題でした。いじめを止めることのできなかった女性教師のやり場のない叫びが、空しく体育館の天井に響いているように思えました。

自宅に帰り、集会の模様を親に話しました。その時の母とのやり取りは記憶にありませんが、後日、母はこんなことを言っていました。

「いじめられていたOOさんのことを、A組の子の保護者に聞いたんだけど、少し変わった子だったらしいよ。
彼女は、学校の制服に、紫色や緑色(カーキ色に近い)の靴下を穿いて登校をしていたり、あまりコミュニケーションが取れなかったようなんだ。どんな子だったんだろうね・・・。」

残念ながら、当時の私は悲しいほど幼く、自分の通っている学校の現状をメタ認知するほどの視野の広さがなかったため、単に彼女が紫や緑などの、中性色の靴下を穿いていることに異様な印象を受け、「異質な者が閉鎖的な共同体から排除されてしまったんだ・・・。」と感じるだけでした。
そして、こうも思いました。「なぜ彼女は、新たな環境に順応することをせずに、異質な者としてふるまおうとしたのか?」と。

今なら何となくわかります。おそらく彼女は、当時の私たちが自明としていた「集団の同調圧力」を把握する能力が欠落していたのではないかと。或いは、転入生として「優等生を演じる」という高いリスクを伴う選択肢を選ぶよりも、「『みんな』とは異なる文化的背景を持つ希少な存在である自分」を演じようとしたのではないかと。

真実はわかりませんが、中学生によるいじめによって、一人の人間が傷つき、新たな環境に旅立ってしまったという事実は、私たちの心の奥深くに消えない傷となって残りました。



いま、彼女はどうしているのでしょうか。もはや知る由もありませんが、この世界のどこかで、彼女が普通に生きて、日常を送っているような気がします。
小さな共同体の中で「異常」とされていたことも、広い世界に出てしまえば、なんてことのない問題になってしまうことはよくあります。

子どもたちが、今もこの瞬間、僅かな人たちの狭い価値観に縛られ、自分を責めていることを想像すると、とてもやりきれない思いになります。
どうか、まだ全てを判断しないでほしい。まだ、自分で自分を傷つけたり、消滅させてしまうことを選ばないでほしい、と切に願ってやみません。











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3 Comments

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2018/02/12 (Mon) 01:40 | EDIT | REPLY |   

miki2017  

kazuさん

私は偽善者か偽善者ではないかということがよくわからないというか、そもそもこの言葉自体に対して微妙に違和感を感じています。どちらかといいうと「偽悪的」という言葉のほうにリアリティを感じることが多いです。

周りの人に手を差し伸べてこられたkazuさんがとても立派で、美しい生き方をされていると感じています。

おっしゃるように彼女は演じることなどできず、ただ、自分にとっての普通の感覚を表していただけなのかもしれません。不適切な言い方でしたよね。

2018/02/12 (Mon) 23:09 | EDIT | REPLY |   

miki2017  

yさん

こんばんは。想像力を持って、考えていかなければならない問題ですね。職場でのお話を読み、同性によるいじめがとても痛々しいものに思えました。
そういった悪意がこの世からなくなることはないのでしょう。

いろいろあったことと思いますが、現在は穏やかに過ごされていて良かったと心から思います。

2018/02/12 (Mon) 23:13 | EDIT | REPLY |   

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