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空木の影 小さな窓に

04
2018  23:22:51

Mの館  居間の影


304.jpg


時計は17時を指していた。灰色のつめたい空が、庭の木々や、コンクリートの塀を、鈍い色彩に染めていく。

リビングは暗くなっていた。母の消し忘れたテレビから漏れている赤や青の光が壁に映り、ゆらゆらと揺れている。
私は食卓に置かれたトマトスープを頂こうと、スプーンを右手に持った。しかし、食器の縁がひどく汚れているような気がして、食べるのをやめた。



3042.jpg





テレビに映っているのは、おそらく1980年頃のテレビドラマだろうか。当時の住宅街のシーンが映る。全体的にくすんだ色調の屋根が多い印象である。

画面が切り替わった。木造の古い家と、ソファに座っている少女が宿題をしている場面だ。
次の瞬間、少女の両の目を、後ろから男の手が隠した。

テレビから男の声が発せられた。


「だーれだ!!」


少女の顔と男性の手がアップになったので、男の正体はわからない。




3043.jpg


突然に顔を触られた少女は、ややビクッとしたが、次第に口元が綻んでくる。

「サトシでしょ? どうして私の家にいるのよ?」


3041.jpg


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

少女の後ろにいる男は何も話さない。


3044 (2)


バタン!!

その時、少女の家の外で、大きな音がした。車がどこかに激突したような、尋常ではない音だ。

思わず後ろを振り向いた少女は、そこにいるのがサトシではないことに気がつく。しかし、まだ画面には男の顔が登場しない。

少女は、男の姿を確認した途端に、憮然とした表情に変わった。

3405.jpg

仮面のように冷たい表情になってしまったにもかかわらず、少女の口からは意外なほど大きな声が出た。

「え? あなた誰? いやっ!!助けてー!! 誰かー!!」



私は怖くなって、テレビのリモコンを操作し、画面を消した。室内はまた、いっそう薄暗くなった。




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3 Comments

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2018/03/05 (Mon) 20:41 | EDIT | REPLY |   

miki2017  

yさん

こんばんは。この不穏な写真は、卒業前に撮影したものです。校舎の裏山に大きな穴を掘り、同級生を穴に入れたり、自分の顔に袋をかぶせて横になったりしていました。

今思うと、何をしたかったのかが謎です。


目隠しをしてきた先輩、悲しいですね。嫌われているのに関わってくるんですね。私が先輩の立場だったら、そっと離れてしまうと思います。それが相手のためでもありますからね。
情景が思い浮かぶようでとても面白かったです。嘘がばれてしまうというのが怖かったです。

2018/03/05 (Mon) 21:41 | EDIT | REPLY |   

miki2017  

kazuさん

こんばんは。

カラーバス効果についてはよく知らなかったのですが、「ある物事を意識すると視覚・聴覚などの情報からその物事に関連する情報だけを次々と選んで認識してしまう」というのは確かにそうだなと思いました。興味深いですね。「赤いもの」を意識すると、街中にある赤いものが目に入ってきます。
また自分がある特徴的な上着を着ているときは、同じメゾンの上着を着ている人や、同じ形の上着を着ている人に目がいきます。

今回も、中心にいるブライスの姿から連想されるイメージを無意識のうちに繋いだのかもしれませんね。しかし、それを意識してご覧になっておられるkazuさんはとても面白い方だなと思います。

パンダや、中心のブライスまで目を隠すようなしぐさに見えますね。なるほど・・・・・・・・・。

2018/03/05 (Mon) 21:51 | EDIT | REPLY |   

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